太っている人にとって体脂肪は理想的な体型の敵と思われがちです。

また痩せ体質の方も体は大きくしたいけどなるべく「脂肪以外」でつけたいと思う方も多いのではないでしょうか。

人の体は途方もなく長い時間をかけて進化をして環境に適応してきました。その為、絶妙なバランスを保っていますので、体に不要なものは存在しません。

今回はそんな体脂肪が体でどのような働きをしているのか、健康的に体型を変えていくうえで注意すべき点などを解説していきます。

 

 

体脂肪の担う4つの役割

体脂肪には「内臓脂肪」と「皮下脂肪」があります。内臓脂肪は内臓の周りについているもの、皮下脂肪は皮下組織に蓄えられている脂肪をさします。肥満かどうかの算出には一般的にBMI(Body Mass Index)が用いられますが、これは身長と体重を用いた計算方法なので実際にはBMIが高くても肥満体質の場合もあれば筋肉質の方もいるので体脂肪に特化をして考えるのであればBMIは曖昧な基準になります。精密に体脂肪の量を測定するにはMRIやエコー、レントゲンなどの各種検査でよくわかります。

 

最近では家庭用の体重計に体脂肪や内臓脂肪を測定する機能がついている体組成計があります。メーカーによって計算方法が異なるので確実とは言えませんが、毎日同じ時間に同じ服装等の条件で計測するのが効果的な使用方法になります。なお、体脂肪率は成人男性では25%、成人女性では30%が標準とされています。

 

エネルギーの貯蔵

体脂肪が蓄えられている場所を「脂肪組織」と言いますが、脂肪組織は血液中の余分な中性脂肪を蓄えて必要な時に分解してエネルギーとして消費する働きをしています。

 

体温のキープ

脂肪は熱伝導性が低いので保温機能があります。つまり、温まりやすく冷めにくい性質があるので、体内の温度は食物で得たエネルギーによって熱が産生されているため温かさを保っていますが、外界の気温が下がっても体内の温度を下げない為の天然の毛布や上着のような働きをしてくれています。

 

細胞膜の構成

体を構成する細胞は細胞膜に覆われています。脂肪はこの細胞膜を構成する重要で最大の栄養素になります。細胞膜は細胞の中に栄養を摂り入れたり、不要になった老廃物を排出する役割を持っているので、

 

外部衝撃からの臓器の保護

また体脂肪には皮下脂肪と内臓脂肪があるのは先に触れた通りですが、適度な内臓脂肪は臓器の位置を保ち重力で下垂するのを防止し、骨や筋肉、内臓などが外部の衝撃によって傷つけられないようにクッションの働きもしています。

 

 

 

体脂肪が減らない人が陥りがちな3つの原因

体脂肪が減らない方の原因を大きく3つに分けて解説をしていきます。ただしこれはあくまで現在体脂肪を蓄えてしまっている方への原因解説になりますので、逆説的にこの方法を痩せ体質の方が採用をすれば太れるということではないのでご注意ください。

 

食事

三大栄養素を皆さんは覚えているでしょうか。炭水化物・タンパク質・脂質のことです。これらが重要視されているのは、全て体を動かすエネルギーを作り出す栄養素になるからです。エネルギーと一言で言ってもそれには内臓を動かして消化をしたり、呼吸をしたり、体を温めるために熱エネルギーを算出したりと一般的に体を大きく動かす仕事や運動とは違うエネルギーもたくさんあります。

 

何も特別な活動をしなくても呼吸や消化、体温調節などに必要なエネルギーは常に体で作られて消費されています。この消費カロリーを「基礎代謝」と言います。基礎代謝を超えるカロリーを摂取した場合に筋肉や肝臓にそのエネルギーを蓄えておくのですが、その量には限度があるため限度を超えるカロリーは体脂肪となって蓄積されます。ここで注意しておきたいのは脂質=体脂肪の増加と考えている方が意外と多いですが、炭水化物もタンパク質も摂取しすぎれば体脂肪として蓄えられるということです。また、加齢とともに筋量は低下し、エネルギー消費も減ってくるので、若いころと同じ食事量を摂取していれば、その分体脂肪も増加します。

 

では三大栄養素は全てエネルギーを作るので、どれか1つの栄養素で基礎代謝分を賄えばいいかというとそんなことはありません。理想的なバランスがあり、炭水化物から50~65%、タンパク質から13~20%、脂質から20~30%を摂取することが良いです。

例えば1日の基礎代謝量が2000kcalの方を例にとると、

炭水化物:1000~1300kcal

タンパク質:260~400kcal

脂質:400kcal~600kcal

を摂取することが理想のバランスとなります。ここで注意しなければならないのは、炭水化物とタンパク質は1g=4kcal、脂質は1g=9kcalということです。脂質は炭水化物やタンパク質よりカロリーが2倍以上と高いので実際に摂取する量はグラムで換算すると以下のようになります。

炭水化物:250g~325g

タンパク質:65g~100g

脂質:約44g~67g

となります。このバランスが偏るとやはり脂肪として蓄えられやすくなります。また、エネルギーとなる三大栄養素を摂取していてもビタミンやミネラルが不足しても代謝をしてエネルギーに変換する働きがスムーズにいきません。バランスよく食事をすることで摂取した栄養からエネルギーへの変換を効率よくできるので蓄積しづらいということになります。

 

アルコール摂取も実は体脂肪の増加と大きくかかわっています。アルコールは1g=7kcalと炭水化物よりカロリーがありますが「エンプティカロリー」とも呼ばれ、体に必要な栄養は含まれていません。さらにアルコール自体が体にとっては毒素のためその排出にビタミンやミネラルを消費してしまいます。従って蓄えるだけで、栄養にもならず、必要な栄養素を無駄遣いするまさに空っぽのカロリーになります。体脂肪を落としたい時期であれば、仮に糖質制限をしていてウィスキーや焼酎などの糖質が含まれていないアルコールでも摂取はおすすめできません。

 

食事の時間が空きすぎることもよくありません。夜の間あくのは先に触れたコルチゾールとグレリンとの関係からもいい事なのですが、1日に1食や2食しか摂らないのも太っている方にはお勧めできません。体内に今まで過剰なリズムで入ってきた食物が急に不足すると体が飢餓状態と判断して備えるように動きます。具体的には消費カロリーを抑えて蓄える方に回し、次に入ってきた食物からのエネルギーを過剰に摂取するように働きます。ただしこれは、元々痩せ体質の方に当てはまる法則ではありません。痩せ体質の方が空腹時間を長引かせてしまうと脂肪を蓄えていないので、筋肉など体に必要な組織を分解してエネルギーを作り出してしまうため、決して真似をしないで下さい。

 

生活習慣

睡眠不足や喫煙も実は体脂肪の増加に関わりがあります。喫煙をするとニコチンと一酸化炭素を体内に取り込むことになります。その二つが体内に入ると「血管の収縮」と「血液の粘性が増す」「動脈を狭窄させる」という作用が出ます。詳細は割愛しますがこれらの作用によって血管を流れる血流量が減少し、必要なエネルギーが体に届けるスピードが遅くなったり、摂取した栄養分からエネルギーを作り出す代謝の働きが悪くなったり、栄養素の吸収効率が下がります。

 

さらに喫煙によって体内のpHバランスが酸性に傾きます。鉄が酸化をすると錆びるように体が酸化した状態を維持してしまうことによって筋持久力が下がったり、疲労感が増したり、運動のパフォーマンスが落ちるという影響もあります。

 

睡眠不足も体脂肪を増加させる大きな要因になります。体に蓄積されたタンパク質や脂肪を分解するコルチゾールというホルモンはお昼の12時ごろから徐々に分泌量が増加し、夜中の23時~1時にかけて最大量になります。その後徐々に減少して朝8時には最低量になるというリズムがあります。しっかりと夜に睡眠をとっている場合、コルチゾールが脂肪を分解して消費することが出来ますが睡眠時間が乱れたり、不足すると体脂肪を消費できない体になります。また、脳はブドウ糖しかエネルギーにできないため、血糖値が不足すると脳の働きが低下するのですが、それから体を守るために食欲を増進するグレリンというホルモンが分泌されます。グレリンは夜中に起きていると分泌量が増えるため、夜中に起きているとお腹がすいて食べてしまうことにも繋がります。

 

運動

一昔前はダイエットには有酸素運動を継続して20分以上行うと、20分を経過した後から脂肪燃焼が始まると言われていました。現在では有酸素運動だけでは効率が良くないことが分かっています。具体的には無酸素運動と有酸素運動の両方を組み合わせることが重要です。有酸素運動は呼吸をして酸素を取り入れながら行う運動で脂肪をエネルギーとして消費します。無酸素運動は筋トレに代表されるような呼吸を止めて力を込めて短い単位で行う運動で脂肪を分解してエネルギーとして消費しやすい状態を作り出してくれます。

 

 

 

健康的な理想の体型に近づく秘訣を徹底解説

先に触れた三大栄養素が消化吸収を経て、エネルギーに変換される流れは実はそれぞれ異なります。糖が一番エネルギーに変換されやすいので、理想的なバランスで摂取をしても運動の種類によっては炭水化物から得たエネルギーばかり消費をしてしまい、せっかく運動をしているのにタンパク質や脂質がエネルギーとして消費されずに蓄えられてしまうということに繋がります。ここからは脂肪を効率よくエネルギーに変換する食事、生活習慣、運動を解説します。

 

正しい知識をつける

脂肪細胞には「白色脂肪細胞」と「褐色脂肪細胞」の2種類があります。白色脂肪細胞は血液中の余剰な中性脂肪を脂肪組織に送り込み蓄える働きがあり、褐色脂肪細胞は白色脂肪細胞を燃焼して消費する働きがあります。ただし、褐色脂肪細胞は幼児期にピークを迎えて後は減少します。これは幼児期には骨格筋が未発達のため体温を維持するために褐色脂肪細胞により脂肪を燃焼して熱エネルギーに変換するためです。成人は骨格筋が発達しているため褐色脂肪細胞の働きは弱まりますが、首回り、肩甲骨、胸部大動脈周辺に分布しています。

 

問題は白色脂肪細胞を燃焼して消費することですが、脂肪組織に蓄えられている状態では消費できません。エネルギーとして細胞が脂肪を消費するには脂肪を「遊離脂肪酸(ゆうりしぼうさん)」という形に分解する必要があります。人間は極度の寒さや運動などによって脂肪をエネルギーとして必要とする刺激が加わると交感神経が優位になります。するとリパーゼという酵素が活性化し、脂肪組織から中性脂肪を遊離脂肪酸とグリセロールに分解をします。このことからも、体を交感神経に傾けやすい筋トレが有効に働くことが分かります。

 

ただし、消費されなかった遊離脂肪酸は再び中性脂肪として脂肪組織に戻ってしまいますので、分解をしたら使用することが大切なのです。従って、筋トレから有酸素運動という流れが効率よく脂肪を燃焼するポイントになります。また痩せ体質の方にとっても筋トレによって筋肉を増やすことは健康的に体重を増やすという点で重要になります。

 

食事で意識すべきこと

先に触れた三大栄養素の摂取バランスと食事を抜かないことが最も重要です。食事を抜くと痩せ体質の方は筋肉を分解してエネルギーにしてしまうため益々痩せてしまいますし、肥満体質の方は飢餓状態のスイッチが入り益々エネルギーを脂肪組織に送り込んで蓄えてしまいます。また、就寝の3~4時間前に食事を済ませることもポイントになります。

 

生活習慣で意識すべきこと

ストレスを溜めないことも大切です。ストレスが溜まると心身を守る防衛本能が働きストレスと関連性の高いホルモンである「グルココルチコイド」の働きが高まります。グルココルチコイドは糖を脂肪組織に蓄えたり利用することを調節する働きがありますが、強いストレスにさらされ続けると蓄える方向に働くことが分かっています。

 

また、睡眠が重要な要素であることは先に触れた通りですが、現代は24時間営業している仕事も多くあります。夜間帯に働いている方に無理に23時~1時に睡眠をとることはおすすめしませんが重要なことはご自身の仕事に合わせて睡眠リズムを一定に保つことです。睡眠によって成長ホルモンが分泌されるので体の疲労の回復をします。7時間15分以上の睡眠が推奨されていますが、筋トレを始めた場合は筋繊維を切ってから超回復で修復しさらに太くするという流れがあり、これに48時間を要します。しっかりと睡眠をとることで回復が進むほか、体の新陳代謝も活発になるので睡眠のリズムを一定に保ちましょう。

 

運動で意識すべきこと

筋肉を落とさずに増やすための無酸素運動=筋トレを必ず取り入れることが重要です。筋トレは筋量を増やすだけではなくアドレナリンを分泌し交感神経が優位になるので、脂肪を燃焼しやすい体のコンディションにすることが出来ます。また有酸素運動は脂肪をエネルギーとして消費するので勿論有効なので外すことはできません。大切なのは順序で筋トレを先に行ってから脂肪燃焼スイッチを入れて、有酸素運動をすることです。

 

 

 

 

体脂肪の減らしすぎは避ける

先進諸国の中でも特に若い女性の痩せすぎている方の比率がダントツに高い日本では、約20%が痩せすぎているという調査結果が出ています。また、痩せている人と平均より少しBMIが高い「ぽっちゃり」体質の人を比較すると、がんや糖尿病などの疾患の罹患率のリスクが痩せ体質の人が高いという結果もあります。ここからは体脂肪が低すぎる事への弊害と体脂肪を落とす際の注意点をご紹介します。

 

ガリガリは健康によくない

痩せすぎの方の健康リスクは実に多く、特に女性には深刻な問題になっています。これは女性ホルモンの影響が大きいです。女性ホルモンはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)がありますが、女性にしか妊娠・出産が出来ないので妊娠や出産を行えるように体を準備する働きがあります。月経を起こすことは勿論、胎児が外界との気温差で発育に影響がでないように体脂肪を蓄えて体温を保ったり、胎児の発育に必要なカルシウムなども骨に吸収しやすくする働きがあります。

 

従って、痩せすぎると骨粗しょう症を引き起こしたり、鉄が不足することによって貧血を引き起こし体に必要な酸素が十分に細胞に供給されない為、慢性的に疲労感があり、筋肉なども十分なパフォーマンスを発揮することが出来ません。また意外に思われるかもしれませんが糖尿病のリスクも高まります。血糖値が急激に上昇するとインスリンが分泌され、血液中の糖分を脂肪として蓄えて血糖値を下げようとする作用が働きます。先に触れた通り脳はブドウ糖しかエネルギーとして使えない為、ブドウ糖の摂取量が減ると脳がほとんど消費してしまいます。すると、血糖値が上がりにくいためインスリンの分泌量が低下してしまい、それが常態化すると糖尿病を引き起こしてしまいます。

 

さらに脂肪はプロスタグランジンというホルモン様物質を作り出しています。プロスタグランジンは細胞同士の粘着性を低下させるほか、血管拡張、血流改善、炎症軽減、免疫機能の向上を担う重要な物質です。脂肪が不足するとプロスタグランジンが生成されず免疫力が低下して風邪などを引きやすくなるだけでなく、動脈硬化やがんのリスクも高めます。

 

体脂肪を落とす時に注意すべきこと

体脂肪が体にとって必要不可欠であることはご理解頂けたと思います。ですが、多すぎても勿論、体にとって弊害になります。単純に言えば脂肪を蓄えるのは簡単で消費カロリー以上に三大栄養素を摂取すればよいのですが、落とすときには慎重にならなければなりません。体を健康に保ちながら体脂肪を落とすには「食事」と「運動」が重要になります。

食事については、先に触れた理想のバランスを変えることが大切になります。具体的には脂質の割合は変えずに、炭水化物とタンパク質の割合を逆転に近い状態にします。

炭水化物:50~60%→20~30%

タンパク質:13~20%→40~50%

炭水化物をこれ以上減らすことは先に触れた脳のエネルギーという観点からお勧めできません。また、純粋なタンパク質は少なく脂肪とセットの場合が多いので、脂質の摂取量を減らすことを踏まえると例えば肉であれば赤身で、鶏肉は皮をはいで召し上がるのが重要になります。また、大豆食品などの植物性タンパク質を上手に摂り入れるのも良い方法です。

 

運動も重要です。先に触れた通り無酸素運動=筋トレを効率よく摂り入れることがポイントになります。例えば、3kgの減量を成功したものの内訳が脂肪1kg+筋肉2kgの場合筋肉も痩せてしまって、脂肪を消費しにくい体になってしまっています。筋肉を増やすことが効率よく体脂肪を落とすコツになりますし、タンパク質に比重をおいた食事とも筋トレは相性がいいので食事と同時に取り入れることが大切です。

 

 

 

 

まとめ

脂肪が痩せ体質の方にとっては健康を維持するために非常に重要な栄養素であり、肥満体質の方にとっては効果的に脂肪を燃焼するメカニズムや減らし過ぎるリスクなどもお分かりいただけたと思います。どのような体質、体型の方も急激な変化は心身のストレスになるので、正しい知識で効率よく健康的な体型に近づけるようにこの記事をお役立て頂ければ幸いです。

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