食べ物を体内に摂取した時に最初に蓄えられるのが胃になります。

胃は筋肉層の上にひだ状の上皮細胞があり、そこから粘液・塩酸・ペプシンを分泌しています。粘液は胃の内部を保護し塩酸はpH2という強酸性で食物など外部から入ってきた菌を殺菌し体を守ります。ペプシンは胃から分泌される消化酵素で主にタンパク質を消化・分解して吸収しやすくしてくれます。

 

胃腸には蠕動(ぜんどう)運動という動きで緩やかに食べ物を混ぜて消化をしながら先へ流していく働きがあります。

この緩やかな動きによって消化した食べ物から必要な栄養分が体内に吸収をすることが出来ます。また、腸は脳の指令を必要とせず動く器官でその働きは単に消化器官の1組織ではなく、体内最大の免疫機構であり、脳内ホルモンも脳より多く作り出しています。それには腸内細菌が深くかかわっていることが分かっています。

今回はそんな胃腸の働きを整えることで内側から体質や体型を改善する方法を解説いたします。

 

 

 

腸の働きと腸内フローラ

先にも触れた通り腸、特に小腸は実に多くの働きを持っています。人は母親の胎内で育ちますが、最初に作られる器官は腸なのです。脳よりも早く作られることで腸は独立して動くことが出来ますし、体をコントロールしています。ここからはもう少し詳しく腸の働きを見ていきましょう。

 

腸は第二の腦(セカンドブレイン)

腸は第二の脳と呼ばれていますが、それは先に触れた通り独立して動くことが出来る唯一の器官であることと、人体で最初に作られることに所以しています。口に近い方から腸は小腸(十二指腸・空腸・回腸)と大腸(盲腸・上行結腸・横行結腸・下行結腸・直腸・S字結腸)となり肛門に繋がっています。腸と一言で言ってもその長さは7~9mと長く、面積は広げると300㎡とテニスコート約1.5枚分ととてつもない大きさになります。

 

腸は単に消化管としての「管」だけではなく、実に様々な働きをしていることが分かっており、ここでは腸の各働きを細かく紹介していきます。

 

1)腸は消化器官の司令塔

腸には独自の神経細胞ネットワークがあります。このため、脳の指令を待たずに独自に判断をして消化吸収や排泄などの働きを行っているのです。人体の中で脳の指令を受けずに動く臓器は腸だけです。

 

2)体内の70%を誇る巨大な免疫機構

腸は栄養を吸収する最後の砦です。小腸には絨毛(じゅうもう)と呼ばれるひだがあり、ここから体内に必要な栄養を吸収して便と選別をしています。免疫とは外から侵入した細菌やウィルスから身を守るバリアの働きですが、食事と同じでそういった細菌やウィルスも小腸で選別されています。つまり、腸の働きが弱ると風邪などのちょっとした病気にもかかりやすくなるということです。

 

3)脳内ホルモンを生成して自律神経をコントロールする

脳内では多くの神経伝達物質が分泌されることによって体内の働きをコントロールするほかに感情も作り出しています。余談ですが、日本人は「心」が感情を作り出しているとするため感情はどこで作られているかと質問をすると日本人は胸を指し、欧米人は頭を指します。

 

自律神経は交感神経と副交感神経のバランスによって保たれていますが、脳内ホルモンの分泌によって体を交感神経優位にするか副交感神経優位にするかもコントロールしています。脳内ホルモンの中でもドーパミンは興奮作用を持ち、やる気や意欲に繋がっており交感神経を優位にして体を活動できる状態に保ちます。逆にセロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、幸福感や充実感を感じるのに非常に重要な働きを持つホルモンですが、脳内で作られるのはわずか10%で、腸内で90%は作り出されています。

 

4)1億個の脳細胞が腸には存在する

脳細胞が腸にあるという言葉はにわかには信じがたいかもしれませんが、腸は先に触れた通り約9mあり、その中に存在するニューロンの数は中枢神経系である脊髄よりも多いのです。腸が独立して動くことができるのはこのことからも理解できると思います。

 

5)体質や体型、体調を左右する腸内フローラ

腸内フローラについては働きが複雑で重要なので、次にまとめます。

 

 

人体のお花畑、腸内フローラ

腸内フローラという言葉を誰もが一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。Flora=フローラは英語が原語で全植物を指す言葉ですが、腸内フローラで使われている意味合いは「花畑」です。腸内、特に小腸には1,000種1,000兆もの腸内細菌が存在しており、その重さは約1.5kgにもなります。同じ種類の細菌が集まってるその腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)の様子がさながら植物園の花畑のように見えるので、腸内フローラと名付けられました。

 

腸内細菌は善玉菌・悪玉菌・日和見菌(ひよりみきん)の3種に分けることができ、理想のバランスは

善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7

との研究結果が出ています。

 

善玉菌はビフィズス菌・フェーカリス菌・アシドフィルス菌等があり、悪玉菌の侵入を防ぎ、腸の運動を促してお腹の調子を整えてくれています。一方、悪玉菌はクロストリジウムや黄色ブドウ球菌、ベーヨネラ等で腸内を腐敗させたり、体内にとって有害なアンモニア・フェノール・インドールなどを作り出します。日和見菌は大腸菌やバクテロイデス等でその名の通り大勢に味方する菌です。つまり、何らかの原因で悪玉菌が増殖し腸内フローラのバランスが崩れると悪玉菌に加担して同じような働きをするため、下痢や便秘を繰り返すようになります。

 

大切なことは先のバランスを維持することと、悪玉菌を活発にするスイッチを押さないことです。このスイッチは沢山あり、タンパク質の多い食事やストレス、睡眠不足、野菜不足などになります。後半で触れますがこれらを避けて腸内フローラのバランスを理想的に保つことが体質や体型を改善するうえでも重要になります。

 

2000年頃から腸内フローラの研究は欧米を中心に行われております。腸内フローラは指紋や声と同じように全く同じ人はいません。免疫系・代謝系・神経系の疾患を予防・治療するための研究も行われております。日本では便移植療法(正式名は便微生物移植=FMT:Fecal microbiota transplant)が取り入れられるようになりました。アメリカではすでに治療法として確立されていますが、日本ではまだ潰瘍性大腸炎などの腸内細菌の乱れが原因とされる難病疾患の治療に対して、家族または配偶者の便を使用するという限定的な方法ではありますが、有効な治療法となっています。ちなみに、このFMTは日本ではまだ保険適用外です。

 

 

便からわかる腸内環境

腸内細菌は肉眼では確認できませんし、自分自身の腸内細菌はさらに確認することが出来ません。ですが、排泄した便を観察することで自身の腸の状態を知ることが出来ます。善玉菌が優勢で腸内フローラのバランスが良く、腸の働きが正常に行われているかを便から確認していきましょう。ここではその手掛かりになる形・色・においごとに解説します。

 

1)形

・健康な便→半練り状のバナナ形でするりと排便できるソフトなもの

・太くて硬い→大腸が弛緩して蠕動運動が低下している便秘

・ウサギの糞状→コロコロした便の場合は大腸の一部が痙攣を起こしている便秘

・硬くて短い→仕事などによって便意を我慢する事が多いことで直腸のセンサーが低下する便秘

・泥状、水溶性→下痢を起こしている状態です。細菌やウィルスに感染して起こるものが多い

 

2)色

黄褐色→健康な便の色で、肝臓で作られて胆嚢で濃縮される胆汁に含まれているビリルビン色素によるものです。

黄色→下痢をしている時と脂肪便の時に見られる色です。

茶色→暴飲暴食によるものです。(食べすぎというのは消化のキャパシティを超える量)

濃褐色→便秘や肉類などのタンパク質、カカオ成分を摂り過ぎた時に見られます。

黒色→タール便とも言われます。出血は時間が経過すると酸化して鮮やかな赤色から黒くなります。つまり黒色便は胃や食道などの消化器官上部から出血をしていることが原因です。

赤色→肛門に近い消化管で出血が起こっていることによるものです。

 

3)におい

★種類★

健康な便→あまりにおいません

酸性臭→炭水化物を過剰に摂取すると吸収しきれずに残ります。そうなると腸内に残った炭水化物が発酵して酸性臭を発生します。脂肪の多い食事を摂取した時も同様です。

腐敗臭→タンパク質を摂りすぎると吸収しきれずに残ったものは悪玉菌のエサになり、スカトールやインドールという有害物質を生みます。腐敗臭はこれらのにおい物質によるものです。

 

★強さ★

便が腸に滞留する時間が長ければ長いほどにおいは強くなります。腸の働きが低下するという状態は色々な原因が考えられるので、以下に主な原因と状態を解説します。

 

消化は副交感神経が優位になっている時に起こる働きです。長時間の勤務やハードワーク、睡眠不足などリラックスをして副交感神経が優位になる時間が短いと消化の働きは弱ります。これは胃腸の働きに問題があるのではなく、胃腸を働かせる時間が短い事が原因になります。

 

暴飲暴食によりにおいが強い場合は、胃腸の働きに問題はありませんが、消化吸収のキャパシティがありますのでその限度を超える量を食べているということになります。

 

 

 

弱い胃腸を治すには?

ここまでは健康な腸の状態を紹介してきました。ここからは胃腸の働きが低下していることが分かった時に、整える方法を具体的に3つご紹介します。

 

過敏性腸症候群の恐れあり!

胃腸が弱いのが過敏性腸症候群によるものの場合、原因と改善策が異なるので触れておきます。腸は先に触れた通り独自の神経ネットワークがあります。自律神経と深く結びついているのですが、過敏性腸症候群になると本来便意を催すタイミングではない時に便意を感じたり、食習慣が大きく変化していないのに便の性状が大きく変化してしまいます。

 

原因はまだはっきりとはしていませんが、緊張が高まるシーンと結びついていることと、通勤途中や会議中、登校しなければならない時などに起こるために日常生活に著しく支障をきたすことが特徴です。罹患者には女性の方がやや多く、男性は下痢、女性は便秘が多いですが、混合型と呼ばれる便秘と下痢を繰り返す方もいます。

 

排便は先に触れた通り副交感神経が優位になっている時に行われるものですが、過度に緊張をしてしまうと交感神経が優位になってしまい、腸が活発に働いてしまうもしくは消化吸収の働きを休んでしまうことによって起こります。つまり不規則な生活習慣や過度に緊張する環境によって起こりやすくなります。

 

過敏性腸症候群を抑える方法は主に以下の通りです。

1)食事の時間と排泄の時間を習慣づけましょう。

2)緊張が強いられる場面が予め分かっている時は、事前に排泄を済ませておきましょう。

3)仕事や学校など自分にとって強いストレスがかかるものには余裕をもって臨める環境に整えます。

 

自分の腸について知る

先に触れた腸内フローラで善玉菌であるビフィズス菌などを摂取するとよいと伝えましたが、これは摂取したビフィズス菌がそのまま腸内に定着するわけではありません。胃の働きでも触れた通り胃で分泌される塩酸はpH2という強力な酸性なので、ビフィズス菌などを摂取しても腸まで届くことなく殺菌されてしまいます。ただし、摂取することを勧めるメディアが多いのは間違いではありません。消化される過程で善玉菌は特有の成分を分泌します。これらは腸に届くと善玉菌のエサになるため、善玉菌の働きが活発になるということです。

 

また、何でも善玉菌のエサになるものを摂取すればいいというわけではありません。例えばビフィズス菌を多く含んでいるヨーグルトには脂肪分も多く含まれています。摂りすぎれば当然脂肪性の下痢を引き起こします。まずは自分の腸の状態を把握することが大切です。先に触れた通り、腸は色々な原因で不調を起こします。生活や食事を見直し整えたうえで、過敏性腸症候群なのか食習慣が乱れているのか、どういうものを食べたら調子がいいのかを便を見ながら把握することが一番大切です。

 

 

食習慣の見直し

胃腸の働きを整えるには食習慣が大きくかかわっていることはこれまでの記事でご理解頂けたと思います。ここからは具体的にどのように整えるのかご紹介します。

 

1)朝食をとることと昼食や夕食の時間もなるべく一定の時間にする

食事を一定の時間に保つことで胃腸のリズムが整います。消化吸収のできる量は人によって決まっています。まずは朝食を摂ることから始めると体に食事が入ってくるリズムを作ることが出来ます。昼食や夕食はお仕事によっては一定の時間にするのが難しい方もいると思います。そういった場合は、間食を取り入れるとよいでしょう。ただし、この場合の間食はいわゆる「おやつ」という発想ではなく、栄養を摂れるものが望ましいです。

 

2)食事の内容をなるべく変える

現在、胃腸が弱い方はまず食事の内容を変更することが大切です。先に触れた腸内フローラのバランスを整える食事に変更することが大切です。おならや便のにおいが強い場合はタンパク質を摂りすぎていることが予想されますし、急に下すようであれば脂肪が多すぎたり、炭水化物の摂りすぎの可能性があります。善玉菌のエサになるようなものや発酵食品などを積極的に摂り入れるとよいでしょう。

 

3)消化の良い食品を食べて負担を減らす

消化に良い食事を摂ることで胃腸の働きを軽減することが出来ます。具体的には腸内環境を整える事も踏まえて、食物繊維が豊富な物や脂肪が少ないものを摂取することをおすすめします。具体的にはめかぶやもずく、納豆、オクラなどのネバネバ食品が有効です。

 

 

 

お腹が痛くなった時にオススメしたい対処法とは

過敏性腸症候群も勿論ですが、体型改善のために食事を変えると今までとは違う食べ物が入ってくるため胃腸の調子も崩れます。ですが、胃腸が不調になると体全体の調子に影響が出るため、体型改善が続かなくなったり、仕事や学校など生活に支障が出てしまいます。

どうしてもお腹が痛むときにおすすめできる対処法をご紹介します。

 

体質改善を試みる

東洋医学では病気になっていないけれども何かしらの不調がある状態を「未病(みびょう)」と言います。西洋医学中心に日本の医療では、何かしらの症状が出てから病院へかかり、検査を経てその症状を取り除く治療が行われますが、東洋医学では病気も不調も体質が影響していると考えます。その為全身を見て、まずその人の体質を知るところから始めます。つまり、同じ風邪という症状でも体質の違いによって、処方される薬も養生のための方法も違うということです。

 

薬やサプリメントを一時的に使用することは良いですが、結局はその習慣をやめてしまうと元に戻ってしまいます。胃腸が慢性的に弱い方には体型改善の前に自身の体質を把握して、健康な体質に近づけることが重要です。

 

弱った胃腸を活性化

胃腸の働きを活発にするには正しい食習慣と生活習慣を整える事に触れてきました。食事は消化の良い物や温かいものがおすすめですが、より大切なことはバランスの良い食事です。タンパク質、炭水化物、脂質といった三大栄養素は勿論のこと、それらから得た栄養をエネルギーとして体に上手に取り込んで使用するためのビタミンやミネラル、食物繊維も重要です。

 

ですが、胃腸の働きが弱っている時は沢山の食事を摂るのも大変だと思います。そういったときにあくまで一時的な方法ではありますが、六大栄養素を中心に胃腸の働きも助けるエビオス錠を摂取するのも一つの方法です。エビオス錠は整腸作用だけではなく、タンパク質を中心とした栄養素がバランスよく含まれているので、アミノ酸スコアを始めとした栄養バランスも優れています。

 

 

 

まとめ

胃腸の働きを高める生活をすることで、体の内側から心身を健康に保ってくれます。小腸で吸収された栄養分は全身をめぐり、体内の細胞に運ばれます。腸内フローラのバランスが整えば、食事からの栄養を効率よく摂取できるようになりますし、体内の毒素や老廃物の排泄も進むので肌の調子も整います。体質や体型を改善するには「腸内フローラ」がカギを握っています。お腹を整えて健康的に体型を改善していきましょう。

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